あります!そして、私はとりあえずこれを色々なところが導入すれば良いと思っています。
その名もGaitRite
これは、マットのようになっていてこの上を歩くだけで、以前紹介した「基本歩行データ」を大体取ることができます。
非常に簡単なので、セットアップの仕方(これも簡単)だけできれば、すぐに使用開始できます。
マットの長さは7m程度なので、廊下など多少場所を必要とします。
なので、病院やスポーツジムなど、廊下などを活用して測定ができるようにすると良いでしょう。
Webster, KE., Wittwer, JE., Feller, JA. 2005. Validity of the GaitRite walkway system for the measurement of averaged and individual step parameters of gait. Gait and Posture, 22 (4): 317-321.
Bilney, B., Morris, M., Webster, K. 2003. Concurrent related validity of the GAITRite walkway system for quantification of the spatial and temporal parameters of gait. Gait and Posture, 17 (1): 68-74.
GaitRiteで何が測れるの?
以前紹介した基本歩行データを大体測ることができます。
主に以下のデータを測定することで、その人の歩行の健康状態を把握することができます。
(1) 歩行速度:歩く速度が分かります。基本的に速ければ健康!と考えられます。
(2) 歩幅:歩行速度と高い関係性があります。こちらも基本的には、長ければ健康と考えられます。
(3) 歩隔:足と足の横幅のことを指します。バランスが悪いと拡がる傾向があります。
(4) 両足立脚時間:地面に両足が接地している時間のことを指します。バランスが悪いと両足がともに接地している時間が長くなる傾向があります。
さらにGaitRiteは、以下のデータも測ることができます。
(5) 足の圧力中心の軌跡:バランスの指標となります。左右にぶれると、体の重心もぶれやすくなります。
(6) 垂直床反力:左右差を確認すると、どちらの脚に負担がかかっているかを見ることができます。
そして優れものなのが、平均値に加えて標準偏差をすぐに出してくれるところです!
3D動作解析などを使うと、ここまでたどり着くのに一苦労・・・これが自動化されているというのは、非常に使い勝手が良いと言えます。
なので、歩行分析という名目でもGaitRiteは活用できますし、実際のクリニカルな現場や運動指導者にとってのクライアントの健康状態を測定するという意味でも役立ちます。
GaitRiteの仕組みが知りたい
簡単に言えば、ミニチュアの体重計をマットの下に大量に埋め込んでいると考えてください。そうなると、かかとの着地とつま先の離地は簡単に測定できます。
そして、その反応したミニチュア体重計の位置などを考慮すれば、位置情報を出すことも可能になります。
体重計とは、床反力の垂直方向だけを測定できるもので、その中心が、足の圧力の中心(COP)になるので、バランスであったり足にかかる負担などを測定することができます。
GaitRite自体の仕組みは画期的ですが、そこまで難しい技術を必要としているわけではありませんし、インターフェースの問題とデータの読み方の問題において改良の余地があるとも言えます。
改良することで、より安価で色々な施設に取り入れることも可能になるかもしれません。
社会にどのように役立てられるか?
現状、コストが約500~1000万円くらいかかるのがネックになっています。
さらに、動作解析と比べれば、非常に簡単なので、歩行解析をテーマに研究をしたい人で細かいエンジニア技術が無い研究者にはお勧めですが・・・それでも、一般のユーザーが標準偏差6.8 などと言われてもピンとこないのが現状かと思います。
なので、実用化に向けてさらに改良する必要があるかと思います。
主に「インターフェースの改良」「データ診断の自動化」「AIの導入」ができれば超えられる課題です。
正直、そこまで難しい新規開発ではありません!
そして、将来的には各自治体ベースで長期的なデータを取っておくことが有効かと思います。
それらと、例えば医療費の相関関係を見ていけば、歩行をどのように変化させれば医療費が下がるかの目安をつけることができるようになります。
以上、もし開発にご興味のある方がいれば、ご連絡いただければと思います。
最後に、歩行トレーニングの一環として、正しい足の使い方を学ぶ必要があります。ISEALインソールは、履いているだけで正しい足首の使い方を練習することができるように設計されています。その秘密は、インソールの角度が勝手に足首をベストな動きに導いてくれるということと、インソール上の突起を足がなぞることで、自動的に正しい足の使い方がされることにあります。ぜひ、お試しください!
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文責 Dr Hanatsu Nagano